茶の湯釜制作工程⑮~⑯

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⑮吹き準備

鋳型の準備と中子の塗型が完了したら、中子を乾燥させる時と同様コークスに火をつけ乾燥炉にて一晩乾燥させます。

翌朝乾燥炉から外型、中子を出しお互いの型を合わせて鋳込みに備えます。

この時に同時進行で甑炉に火を入れ炉自体を良く温めます。

燃料であるコークス、踏鞴で精錬された和銑(地金)を用意します。


コークス             和銑

この他脱酸剤など必要な材料を揃えます。

⑯吹き

全ての準備が揃ったらファンを回します、炉の温度は急上昇し炎も大きくなり緊張感もでてきます。

1回目の出湯は火を入れてから約20分ほどかかります、出湯した湯は鋳型には注がないでインゴットケースに注がれます。

インゴットに注がれた湯は急冷し、インゴットを割って地金の破面を見て様子を見ます。

和銑の破面は白く縦に筋が入ったような結晶になるのが特徴です。インゴットになった和銑を割る時はガラスの様な感じです。

破面も白く地金の調整が整ったらいよいよ鋳型へ湯を注ぎます。

先ほどの写真と同様に湯をトリベ(柄杓の様な物)で湯を受けますが、この時藁灰汁を湯面に置きます。これは保温効果、ゴミ取りなどの効果があります。ゴミは溶解した和銑より軽いので湯面に浮いてきますので灰汁で集める事ができます。

つぎ手と押さえ手で同時にマッカ(型に掛ける板)に乗り、湯圧で型が浮かない様に全体重をかけて押さえます。

鋳型に湯を流し込むとガスが発生します。ガスは主に中子を抜けて型の外に出ます。

それでは吹きの様子を動画でご覧ください。

溶解が終わると甑炉を分解します。炉を立てたままにしておくと炉の中に残っている地金とコークスがくっついてしまいます。

炉を完全に分解したら溶解作業の終了になります。

無事に吹きも終わりました。左から 私 父 手伝いの松本君

制作行程紹介

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